西、決め手は在阪!

「阪神タイガースさんに、お世話になることに決めました」
報道陣100人、テレビカメラ7台の前にスッと立つ。目も開けられないほどのフラッシュを浴びながら、西がついに虎入り表明だ。最大の決め手になったものとは、
「環境を変えたくなかったので、たくさん悩んだんですが。そういう結果になりました」

オリックスからフリーエージェント(FA)宣言した西勇輝投手の阪神移籍が7日、決まった。この日、3度目の入団交渉し、合意した。契約は4年総額10億円で、背番号は「16」に決まった。矢野監督も同席。「オリックス-阪神」の移籍で、初の大成功例になるのを虎党は待っている。キャリアハイを残した選手は、まだいない。

正午すぎの最終交渉に先立ち、オリックス、ソフトバンク、DeNAに断りと、感謝を示す連絡を入れた。実質の一騎打ちだったソフトバンクは、年俸4億円前後の4年、総額20億円超の契約で打診していたとみられる。巨額な資金力では到底及ばないなか、まさに「金額」よりも、「誠意」が決め手になったようだ。

西は続ける。「サンケイスポーツ」によると、矢野監督から、
「ファンを喜ばせたい」
という言葉をかけられ、
「自分自身、球場に来てくれる方とともにしっかりがんばりたい。そういう言葉を聞けて良かった」
と、笑顔。
「1年間ケガなく投げきることが、大事。キャンプから、ケガなくベストな状態で、チームの勝利に貢献できるように、1イニングでも長く投げたい」
と、意欲を見せた。

約1時間の交渉では、矢野監督は、
「いや、あの良かったなと。ほんと球団の方が、大変よく根気強くやってくれた。西にも感謝ですし、球団にも感謝したいです」
と、ホッとした表情で話しはじめた。条件面では、ソフトバンクより劣っていたなかでも、まずは阪神を選んでくれた男気の決断に感謝。
「口説き文句とか、僕はそういうことを言えるようなタイプじゃないですけど。でも、僕がずっと言ってるようにファンを喜ばせたいというなかで、西が入ってくれて、そこに近づいていけると思う。そういうところで一緒にファンを喜ばせたいということを伝えた」
と、その一端を明かした。前日誕生日だった矢野監督は、
「1日遅れの…。プレゼント、いただきました」
と喜び、
「コーナーワーク、緩急、縦の変化、全部を使いながらやれるのが強み」
と評価した。

また、西の獲得に尽力した谷本球団本部長は、
「会うなかで、オリックスへの感謝を言っていた。そのあたりで悩んだと思うが、直接話してお互いに分かり合えたのは良かった」
育成中心で進む矢野虎にとって大きな、待望の補強。近日中に、入団会見がおこなわれる。

だが、吉報が届いたが、喜んでばかりはいられない。難題が待っている。西との交渉役をつとめた谷本球団本部長は、今後予想されるオリックスへの人的補償のプロテクトの人選について言及。矢野監督とも相談しながら、慎重に進めていく考えを強調した。