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森下翔太、意地の決勝打!

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○<阪神3-1広島>◇18日◇甲子園
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伊原6回1失点で3勝目、石井今季初S

■逆転勝利で、首位堅守&今季最多タイ貯金6。森下が、決勝打を放った。悩める主砲が目覚めた。中野の左前適時打で同点とし、なおも森下が、玉村から勝ち越しの左前適時打を打った。リーグ単独トップ6度目の勝利打点。直近5試合は、18打数1安打の打率5分6厘。藤川監督は、
「過去は変えようがないですからね、僕はあまり興味がないというか。ヒットを打って、タイムリーを打ったということしか、あまり興味がないですから。非常にいい一本でしたね」

先発のルーキー伊原陵人が、6回4安打1失点で3勝目。4回一死から連打と味方の失策で一死二、三塁のピンチを背負い、末包に先制犠飛。直後は坂倉に右翼への大飛球を許したが、森下のフェンス激突の好捕で追加点を許さなかった。6回は二死三塁のピンチを背負い、末包の打席で三走・中村奨がホームスチールを敢行。動揺することなく、捕手へ球を投じ本盗を阻止した。

潮目の変化を感じ取ったのだろう。藤川監督は、直後の攻撃から一気に攻勢をかけた。6回終了時でまだ投球数が79球だった先頭の伊原に、代打を送ったのだ。指名したのは、この日が22歳の誕生日だった前川。スタメンは譲ったが、6回に代打で登場すると、球場全体からハッピーバースデーの大合唱が起きた。歌が終わるまで広島・玉村が投球動作に入らず、待ってくれたことに気づくと、前川は少し申し訳なさそうにして、仕切り直した。
「相手バッテリーが待ってくれてありがたかった」
その後、しっかりと一、二塁間を抜く安打を放ち、役割を果たした。バースデー右前打を皮切りに打線は活気づき、森下の決勝打などで勝ち越しに成功した。藤川監督は、
「素晴らしい誕生日じゃないかと思います。スタンドのファンの方が、バースデー(ソング)をね。歌っていただきながら、打席に立ってヒットを打つという。それはなかなかできることじゃない」
球場の雰囲気を変える意図もあったのか。積極果敢なベンチワークで、逆転劇を演出してみせた。

一死二塁とし、中野拓夢がきれいに三遊間を割った。左翼のファビアンが前進守備だったため、代走の二塁走者・熊谷敬宥は1度、三塁ストップ。ファビアンが打球をつかみ損ねたのを見た三塁コーチの田中コーチが即座に腕をまわし、熊谷がふたたび走り出した。失策が記録され、中野に打点はつかなかった。さらに、一死二塁から森下翔太の左前打で逆転に成功。佐藤輝が右前打でつないだところで、玉村をKOした。

藤川監督、投手起用でも、巧みにタクトを振るった。2―1と勝ち越しに成功した直後の7回だ。相手打線は末包、坂倉、モンテロという、いずれも一発長打を秘めた打者が続く打順。ここで及川でも石井でも桐敷でもなく、湯浅を投入した。1回無安打無失点と好投し、相手ベンチの鋭気をくじいてくれた。
「もともとイメージしていた通りで、プラン通りでいきました」
8回はタフネス・桐敷で切り抜け、9回は、
「(岩崎は)連投ですもんね」
と、石井に託して勝ちきった。

2点優勢の9回、マウンドには守護神の岩崎ではなく石井が上がった。
「首脳陣の方から、今日は9回いくかもしれないと言われていたので準備はしていた」
前日まで2連投の岩崎はこの日は登板せず、石井にクローザーの役割が巡ってきた。上位打線との対峙も落ち着いていた。菊池、ファビアンを打ち取り、最後は末包を二ゴロ。今季初セーブ、通算2セーブ目を挙げた右腕は、
「やっぱりセーブシチュエーションは特別。ブルペンですごく震えていたんですけど、何とか良いピッチングができて」
と、安堵(あんど)の表情を浮かべた。及川、岩崎という勝ちパターン左腕2人を温存することに成功するとともに、新たな“方程式”の確立にもメドを立てた。

◆走った! あちこちから声が飛び、客席はどよめいた。甲子園の異変を、伊原は背中で察知した。その阻止によって、ピンチをチャンスに変える機会を手にした。1点ビハインドの6回の守りでは、広島の奇襲に冷静に対応した。マウンドの伊原が二死三塁のピンチを招き、打席には末包。カウント1ボールからの2球目、三走・中村奨がホームスチールを仕掛けた。ボールは高めに浮く変化球だったが、捕手の坂本は中腰でキャッチすると、滑り込んできた中村奨にタッチ。3アウトで攻守交代となった。

三塁には背を向ける左投手で、足を上げてからのタイミングも長い伊原の特徴を狙って仕掛けてきた奇襲。ただ、捕手の坂本は初球と2球目のモーション前から三塁ランナーの動きに視線を送っており、マークしている様子だった。坂本は、
「ちょっと何か(三走の)リードがでかいなと思ってたんで、声聞こえたんで、(阪神側の)ベンチが声を出してくれて、それで気づけたんで良かったと思います」
と、味方のサポートに感謝。三走・中村奨の第1リードが大きかったことで捕手けん制も考えていたとし、
「無関心でなかったのがちょっと良かったかなと思います」

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