「最悪」ドラフト?

「しんどいな」
矢野新監督は、初めてのドラフト会議を振り返り、
「あのプレッシャーは、重い」
と、疲れ気味だった。正直いって、地味すぎドラフト。結果としては、チームビジョンがよく見えないドラフトになった。

プロ野球ドラフト会議(25日、東京・港区のグランドプリンスホテル新高輪)で、外れの外れ1位で大阪ガス・近本光司外野手の交渉権を獲得した。1位指名は大阪桐蔭・藤原恭大で、外れ1位は立命館大・辰己涼介だった。育成指名も入れて、計7選手を指名した。
「タイプ的には1、2番のように思うけど。自分の理想なんだけど、2番は左がいい。足が速いヤツがいいのよ。(ポジションは)センターになると思うけどね」
と、矢野監督が26日、ドラフト1位・近本外野手の、「2番・中堅」での起用構想を明かした。淡路島出身の“地元っ子”。関学大卒業の社会人2年目、公私ともに「頭脳派」。激化する外野手の定位置争い。

上位3人を野手で占めたが、本来上位3人で獲得すべき野手は、将来、チームの主軸に座る可能性のある素材をあてるべきだ。今回、指名したようなタイプではなかったと思う。少し上位で、投手を指名してほしかった。

◇ 矢野新監督、熱血始動!

23日、甲子園球場で秋季練習をおこない、新体制の下で来季に向けて始動した。新生猛虎の船出は、笑顔と対話からだ。

練習前、矢野新監督はクラブハウス内で鳥谷内野手と面談。対話の重要性を訴える新指揮官の熱意に、不遇の3年間を味わったベテランが遊撃再挑戦を直訴した。
「トリ自身も、思うようにいかなかったシーズンやと思うし、トリ自身が一番何をどうしたいか、っていうのが俺は大事やと思う」
福留、藤川らベテラン陣にも、クラブハウスにくるよう伝えたようだ。
「チーム事情で変わることは何とも思っていない。オフに自分のパフォーマンスをしっかり上げて。あとは(首脳陣に)判断してもらえれば」
と、鳥谷の表情は、明るかった。

新ヘッドコーチに清水氏=前楽天一軍外野守備走塁コーチ。中日での現役時代に、苦楽をともにした矢野新監督の懇願によるヘッドハンティングで、ただ一人外部入閣。
「選手の給料を上げてやることが、コーチの役割」
と言い切った。また、秋季練習初日から、若虎に苦言を呈したもよう。
「ちょっと元気ないかな」
タテジマの背番号「81」に袖を通した初日は、全体練習をじっくり観察。練習を見終えると、本音をさらけ出した。
「新しいスタートなのに、アピールが少ない」
チーム内の意識改革から、本気でチームを変えていく覚悟だ。

また、今季「超積極野球」を掲げ、ファーム日本一を達成した二軍スタッフからは、三塁コーチを務め、矢野監督の機動力野球を体現した藤本内野守備走塁コーチ、そのほか二軍スタッフからは、福原投手コーチ、藤井バッテリーコーチ、浜中打撃コーチ、筒井外野守備走塁コーチが昇格。

二軍監督には、平田チーフ兼守備走塁コーチが就き、3度目の要職を担う。また、二軍打撃コーチに新井良太育成コーチ、育成コーチには戦略・分析担当として裏方にまわっていた日高が分析担当コーチを兼任する形で入閣する。谷本球団副社長兼本部長は、
「一軍とファームのコミュニケーションをよくしていこうというのは、元々ありましたので。コミュニケーションを今年以上に密にしてやっていきたい」
と説明した。一軍の監督、コーチの平均年齢は45歳。
「若いコーチが多いので選手と一緒に悩んで、一緒にやってくれればいいかなと思います」