敬遠暴投いただきました!

「奇跡の1点」が、舞い込んだ。
「勝ち運があったのかな」
と、金本監督は振り返った。7回だ。4-4に追いつき、打席に福留が立った。二死二、三塁。一塁が空いていた。ヤクルトの選択は、敬遠。ところが、1球目、2球目…。ルーキーの投球が、おぼつかない。2ボールからの、3球目。ボールは、立ち上がった捕手の上空を通過。暴投で勝ち越し点が転がりこむ、じつにラッキーな勝利。

流れをつくったのは、神宮をよく知る1番、2番コンビだった。2点を追う3回、明大出身の高山と、早大出身の上本が本塁打を放ち、追いついた。
高山は、フォークを右翼スタンドへ。
「先頭だったので、とにかく塁に出ることを考えていました。(体を)少し前に出されましたが、なんとかとらえることができました」
145キロ直球を左翼スタンドに放り込んだ上本は、
「ストレートに振り負けないようなスイングを心がけました。勝ち越せるように頑張ります」
7回も、一死から代打のキャンベル、隼太が四球と二塁打で二、三塁。高山、上本の二人の連続適時内野安打で、同点とした。

勝ちパターン4投手による、必死のリレー。運もたぐり寄せ、逆転勝利に導いた。
「ウチのリリーフ陣は、セ・リーグでも屈指だと思っているし、ナンバーワンだと」
金本監督が胸を張る、強力な救援陣がチームを支えている。桑原、岩崎、マテオが無失点でつないだ。桑原を投入したことについて、
「これ以上取られたらと。しんどいというか」
5回、ルーキー・小野が4点目を失い、なお一死一塁で登板。最大の武器である、スライダーを軸に打者を圧倒する。イニングをまたいでも、力は落ちない。6回も安定し、150キロ前後の直球もさえ渡る。下位打線を寄せつけず、三者凡退に抑えると、その直後、味方が逆転。
「ランナーをかえさなかったので、仕事はできた」
と、淡々と振り返った桑原。が、ドリスが9回のマウンドに立ったが、内野安打、自らの失策、四球で一死満塁のピンチを招く。際どい球審の判定にも、動揺した。それでも、
「自分のミスでピンチを招いたので、無心で自分の球を信じて投げた」
と開き直った。ヒヤリ。負けを、覚悟したもんだ。

「次も行きますよ。そんなに打たれている感じはない。楽しみな投手」
と、金本監督は評した。ドラフト2位・小野は、ホロ苦デビュー。5回途中4失点。春先から制球に課題があったが、この日は四球1個にとどめた。
「しっかりは空振りは取れたが、シュート回転が多かった。次は、今日以上の投球したい」
と、力を込めた。

 <ヤクルト4-5阪神>◇21日◇神宮

過去の試合;
● <ヤクルト8-3阪神>◇20日◇神宮

大荒れ藤浪が、3回0/3今季最短、マウンドを降りた。チームは3連敗で、9カードぶりの負け越し。糸井、16打席連続無安打。

● <ヤクルト4-2阪神>◇19日◇神宮

約1カ月ぶりの連敗。中8日の登板間隔を空けた岩貞が復調の兆しなく、5回3失点で3敗目。試合後、二軍調整が決まった。

高山が、芸術的なバット操作を披露した。8回一死走者なし。カウント1-1から3球目、内角低めのスライダーを腕をたたんでさばくと、高々と舞う弾道を描いて右翼席に吸い込まれた。今季2号ソロ。
「真っすぐを打ちにいって、変化球に対応できて、結果的にホームランになった」

● <阪神1-2中日>◇18日◇甲子園

メッセンジャー、力投も、8回7安打2失点で今季初黒星。福留を積極的休養でスタメンから外した一戦で、代役4番・原口が1カ月ぶりのマルチ安打。