高山、ラスト・スパート!

一線級の投手にどう対応できるか。金本監督は常にそういうが、チーム全体で、5試合連続1桁安打。この2試合の得点も新井、と高山の一発だけだ。そして3連敗。若手野手の状態が、開幕が近づくにつれて“尻すぼみ”になっているのは、気になるところ。

☆ <オープン戦:ソフトバンク5-1阪神>◇23日◇ヤフオクドーム

「1番・糸井」、そして、いきなり走った。本人もうなずく、上々の試運転だった。アウトにはなったが、タテジマ初の盗塁も試みた。
「打撃スタイルは塁に出て、走ることなので。きょうは(まずは)スタートが切れたことが、よかったと思います」
構想は3番だが、
「3番でもしっかり(足を)使ってもらうし、5番でも。糸井が3番に入ってもホームランを40、50本打てる打者が(後ろに)控えていれば、そりゃアレ(走らなくてもいい)だけど。やっぱりつなぎでいかないといけない打線だから」
と、金本監督は話した。

高山が8回、右越えにオープン戦トップに並ぶ4号ソロを放った。0-3の一死。2ボールから、真っすぐにタイミングが合わず2球続けて空振り。ファウルをはさみ6球目、145キロ直球をフルスイングで完ぺきにとらえた。打球は一直線に右翼スタンドへ。
「よかったです。本調子じゃなかったなかで? そうですね。それはちょっとわからないです」
金本監督はというと、高山へさらなる高みを求めた。
「欲を言えば、ネクストからタイミングを合わせて準備して。これはレベルが高いことだけど、1回空振りしたら、すぐ2回目のスイングで『パチッ』といけるような、早い対応力というかね」

青柳が先発し「快晴のち嵐」の“怪投”を演じてしまった。1回から3回までは球威のある速球やスライダー、チェンジアップなどを駆使して、9人で片づける完ぺきな内容だった。

4三振を奪う快調が一変したのは、4回一死走者なしからだ。速球をとらえられ、中堅フェンス直撃の二塁打を許すと、右中間適時三塁打、左翼線適時二塁打、中前適時打を浴びて4連打で、瞬く間に3点を失ってしまった。青柳は変化球の精度について、
「良かったと思います。でも、それに頼っていたら打たれると思うので、直球をもっと入れていかないといけない」

球児が、3者連続空振り三振の快投だ。7回に登板。まずは、フォークで空を切らせた。あとの2者は速球で押し込んで封じきった。
「今日だけの結果なので別にね。1日の結果だけでは分からない」
直球のキレが増してきたなかで、打者を翻弄したのが、走者無しで2球見せたクイック投法。セットポジションで静止し、フッと息をつく。次の瞬間、バッ! と投げた。走者なしにもかかわらず、クイックだ。金本監督も、驚きと称賛の声だ。
「(状態が)上がってきたね。突然クイックもいいじゃん(笑)。引き出しを増やしたんじゃない? 彼なりに工夫して」

☆ <オープン戦:ソフトバンク3-2阪神>◇22日◇ヤフオクドーム

「真っすぐを捉えられたのもそうですし、(第1打席で)変化球に間を取れたのもよかった。まだまだ、しっかり続けられるようにしたいです」

原口が4試合ぶりのマルチ安打をマークし、復調の兆しを見せた。「5番・一塁」でスタメン出場し、2回に中越えの二塁打を放つと、6回には中前打。

まずは2回一死からの第1打席。初球カーブだった。思い切り振り抜き、バックスクリーン下のフェンス下部にドンッとぶち当てた。中越え二塁打。13打席ぶりの長打で、今春の実戦では初めて左中間より右方向への大きな当たりを飛ばした。金本監督も、
「振れてきたと思う。センターに昨年も打ってないもんなぁ。センターオーバーというのは…。左中間からレフトだったけど。だんだん、あっち(中堅方向)に飛ぶとスイングの軌道も変わるのかな」
とうなずく。関東遠征でも、この日の試合前も直接指導。そして原口が見せてくれた意地を、歓迎した。
「腰が回りきっていない、ということだったので。そこを意識して、きょうの打撃練習からやって感覚がよかったので。これをあしたからまた続けていきます」

開幕ローテーション入りを目指す小野が先発し、4回4安打4四死球3失点で、降板した。

初回から制球が定まらず、2回には2四死球から2本の適時打を浴びると、4回にも死球で走者を出した後に、適時打を許した。いずれもイニングの先頭打者に死球を与えてからピンチを招いたもの。やはり、制球面に課題を残した。開幕ローテ入りへアピールを誓った登板だったが、厳しい状況となった。金本監督は、「コントロールが定まらないと、配球のレベルにいかない」
と指摘しつつ、
「もう少し時間をかけて修正すれば、戦力としては考えている」
と、焦らせない姿勢を示した。

※ <WBC:侍ジャパン1-2米国>◇準決勝◇21日(日本時間22日)◇ドジャースタジアム
準決勝が行われ、侍ジャパンは米国代表に1―2で惜敗。6回に菊池のソロ本塁打で同点に追い付いたが、8回に勝ち越しを許して2大会ぶりの世界一奪還はならなかった。