☆ 「やっと…。ずっと日の当たらないところでやっていたので、気持ちよかったですね」
17日、午後0時29分。TUBEの曲がかかり、最高気温24度となった宜野座に真夏以上の熱気がこもった。前日に続いてティー打撃の予定が、金本監督に、
「ちょっと打ってみるか?」
とうながされ、漆黒のヘルメットを初装着。ケージに入っただけで、球場の空気が一変した。

福留と、交互に、打撃投手を相手に34スイング。安打性は16で、サク越えは2連発を含む6本。31スイング目は右翼防球ネットの地上20メートル付近に設置された『歓迎 阪神タイガース』の幕の『ス』の字に直撃した。あわや球場を飛び出す推定140メートル弾! 34スイング目も、右越え弾で締めた。圧巻の初打ちに、金本監督は、
「見ての通りでしょ。俺がとやかくいう必要はない」
と、満面の笑み。
「さすがというか。インパクトも強いし、ポイントもいいし、打球も落ちないし、距離も出ているし」

☆ 左アキレス腱(けん)断裂からの復活を目指す西岡、7カ月ぶりの屋外フリー打撃。右打席では柵越え4本=安芸(18日、安芸)。

☆ 秋山が16日、韓国サムスンとの練習試合(宜野座)に2番手で登板(「練習試合、阪神9-0サムスン)。4回1安打無失点と見事な投球をみせた。
「前回ほど調子は良くなかったけど、外と内を投げきりながら、打者とも駆け引きしながらカウントをつくれた。打者もいろいろ考えてくれたと思います。
前回11日紅白戦でも好投しており、金本監督も、
「先発5番手、6番手には近くなっている。去年の秋からずっといい。自信があるから落ち着いているように見えるんでしょう。経験もある」
と、高評価。

☆ 横山が19日、先発第6の男へ猛アピールをした。練習試合・日本ハム戦、0-1の6回から登板。真っすぐやチェンジアップなど緩急を駆使し、3回を36球で2安打無失点にまとめた。
「今日はすごく良かったです」
ただ無四球ピッチも、2奪三振は物足りないようだ。
「追い込んでから空振りが取れなかったので、修正したい」

☆ 実戦全試合4番起用された原口が、韓国・サムスンとの練習試合で、1安打2打点と結果を残した。一塁手として出場。初回無死満塁で押し出し四球を選ぶと、6回ニ死二塁では中前適時打を放った。
「打てたのは、良かった。いろいろ試しているなかで、結果を残せないといけない。難しいけど、頑張りたい」
金本監督が理想とする右打者を4番に据えたジグザグ打線のカギは、この男が握っている。
また、練習試合・日本ハム戦も、今季初のマルチ安打で応えた。土壇場の同点劇を、原口らしく状況に応じた勝負強い打撃で演出した。
「方向だけ、決めていました。いいヒットがあっち(右方向)に飛んだのでよかった。きょうは1打席目のヒット(中前打)も、両方内容のあるヒットだったと思います」

☆ クリーンアップはお任せ! 今季初実戦から3番で起用され続けている高山が2安打2打点、さらに好走塁でも打線をけん引。昨季はわずか5盗塁で、失敗もチームワーストの4個あった。高山のスピードからすれば不満すぎる数字で、金本監督からも、
「積極的に行けたら、行けばいい。今、練習しておかないと、本番ではそんなに走らせてくれないから」
と、機動力も期待されている。金本監督は打順について、ベテラン組を合わせて、考えていく方針。この日のように、「3番・高山」は、糸井が合流しても、福留がいても、鳥谷がいても十分にありえる選択肢だ。それでも、金本監督は高山の打順について、
「いや、まだまだ。糸井も、トリも、孝介も出てないんだから。今のメンバーだとそういう感じだけど…」
高山本人はというと、
「結果は出て良かったですけど、いい感じではないので」
と、現状に納得はしていない。金本監督も、
「まだまだ自分のポイントで打てていない。全部、差し込まれ気味だから」
と、指摘。19日、練習試合での日本ハム戦(宜野座)。昨年まで苦手としていた内角球145キロ直球にくるりと反応。しっかりとさばいてライナー性の右翼線二塁打とし、土壇場の同点を演出した。
「あの場面で、しっかり打てたのは良かったんじゃないですかね」
ただし、金本監督は求めるものが高いゆえに、少し辛口だった。
「最後だけでしょ。その前は、やっぱり差し込まれていたね」
それでも、
「差し込まれても、ヒットにできるのは長所でもある。懐の深さというか、押し込みの強さというか。それがないとできないから」

★ ドラフト1位・大山、まだ快音は響かなかった。“プロ初安打”はまたも、お預けとなった。19日、練習試合日本ハム戦に9番DHで出場。3回無死一塁で二ゴロ併殺打に倒れると、6回は遊ゴロ。8回1死一、二塁の好機はフォークボールに空を切らされ、3球三振に終わった。実戦5試合は、15打数無安打。
「練習しかない。きっかけをつかむため、もっと練習していきたい」
試合後は、懸命の打ち込み。だが、金本監督は落ち着いていた。
「スイングスピードとか、アマチュアレベルですから。でも気分が楽になると、パパンと打つと思う。だから使っているんだけどね」
新人が当たる、プロの壁?
「乗り越えるっていうか、きっかけ。メンタル面でも技術的にも。ポイントはいいモノを持っている。今日のショートゴロもたまたま正面にいっただけで、もう2メートル横だったら抜けている」
じっくり開花を待つ。