投打がかみ合って、完封勝ち。今季最終戦を白星で飾り、初の7連勝でシーズンを締めた。
「今シーズンは、私の監督としての力足りず、チームの低迷を招いてしまいました」
と、冒頭で、4年ぶりBクラスに終わった不本意な成績をファンに謝罪した。4位でゴール。“超変革”を掲げた金本監督の1年目は、64勝76敗3分けの借金8。

岩貞が、7回6安打無失点と好投。自身初となる2桁10勝目を挙げた。覚醒を遂げた今季を象徴する96球だった。強い直球を軸にし、スライダー、チェンジアップなどで圧倒。1、2回と連続安打を許してピンチを迎えたものの、後続を打ち取り無失点で切り抜けると、3回以降は巨人打線を寄せつけなかった。「サンケイスポーツ」によると、
「今日は勝っている状況で福さんにバトンを渡すことだけ考えて、マウンドに上がりました。それができて大満足です」
と、充実感に浸った。昨夏、福原の言葉をきっかけに、投球フォームを見直した。その恩は忘れていない。

金本阪神1年目を締めくくったのは、高卒ルーキー・望月だった。プロ初登板。
「ミットしか見えないくらい集中していた。(甲子園は)ファームで投げたことがあったけど、その時よりもファンがいっぱいいて、いい雰囲気だった」
大きく息を吸い込み、吐き出す。プレッシャーと戦いながらも、落ち着いていた。見る者に衝撃を与えた。

18球のうち15球が直球だった。先頭のギャレットに対し、初球から149キロ、3球目に153キロを計測。最後も149キロ直球で、空振り三振に仕留めた。左前打されたが、二ゴロに打ち取り、二死二塁から最後は遊ゴロに仕留めて、無失点でデビュー戦を終えた。

2年目の植田も、6回にプロ入り初出場。初出場、初盗塁はならず。二死から中前打で出塁した俊介に代わり、代走で出場。続く岩貞の打席で、果敢に初球スチールを試みたが、好送球もあり、二塁タッチアウトとなった。

残念ながら、高山は、「ミスター」に1歩及ばなかった。猛打賞回数の新人プロ野球記録を持つ58年巨人長嶋の14度に、あと1度と迫り、この日を迎えた。だが、4打数無安打で新人イヤーを終了。今季成績は打率2割7分5厘、8本塁打、65打点だった。
「悔しいですね…。あの打席で四球を取れていたら、ヒットを打てていたらと思う。それを含めての数字です。来年は悔しい気持ちが残らない1年にしたいですね」
と、表情を変えなかった。

今季限りでの現役引退を表明している福原が、現役ラスト登板で、打者1人を無安打に抑え、有終の美を飾った。

5点リードの8回に、2番手で登板。金本監督自ら、マウンドでボールを受け渡した。粋な演出。初球は、低め143キロ直球ボール。続く2球目は外角141キロ直球でストライク。カウント1-1とし3球目、低め142キロ直球で左飛に打ち取った。ここで、金本監督は3番手・安藤をコール。

福原は涙を流しながら18年立ち続けたマウンドに別れを告げた。試合後には、引退セレモニーがおこわれて、涙を浮かべてスピーチ。最後は場内を1周して、チームメートから胴上げされた。
「このセレモニーに残っていただいたジャイアンツの皆様、ジャイアンツ・ファンの皆様、本当にありがとうございます。

僕がプロの第1球を投げたのは、東京ドームの巨人戦でした。そして今日、この甲子園の伝統の一戦で、最後の1球を投げることができ、本当に幸せです」

※ 戦力外通告; 1日、03年自由枠・筒井、05年高校生ドラフト1巡目・鶴、09年ドラフト1位・二神ら9人に来季の契約を結ばないことを伝えた。小嶋、岩本、坂、柴田。また、育成契約のトラヴィス、一二三も。

<阪神6-0巨人>◇1日◇甲子園