熱き115球、待望のエースの勝利。藤浪が7回を2安打無失点に抑え、64日ぶりの白星となる5勝目をつかんだ。ヒーロー・インタビューの冒頭、
「ホッとしたのが1番です。うれしいですけど、気を引き締めないといけない」
と、自嘲気味に苦笑い。江夏、井川らを抜いて球団の高卒新人では史上最速となる95試合目で、通算40勝にも到達。

納得の投球ではない。ボール先行のシーンも多々あった。ただ、最速156キロに変化球を織り交ぜ、自己ワースト5連敗に終止符。長く暗いトンネルを抜けた。山田、バレンティンに対しては、原口のサイン通りに投げ、力のある直球と得意のカットボールなどの変化球をうまく織り交ぜ、まともにスイングさせなかった。

2回には今季初打点となる中前適時打で、自ら援護点。投手に与えたものも含め3四球だったが、変化球を低めに集めピンチを広げなかった。三塁も踏ませず、7回2安打無失点。
「1つ勝ちましたけど、まだ全然見られる成績じゃない。なんとか取り戻していきたいです」
2番手・安藤、3番手・松田もピシャリ。

高山が、珍しく自画自賛した。「サンケイスポーツ」によると、
「きょうはよかったです。最近、調子は悪くなかったんですが、当たってなかったので」
試合前まで、8月無安打だった高山は試合前の打撃練習中、金本監督から手取り足取り、密着指導を受けた。
「体が入りすぎていたので」
と振り返る。テークバックをしっかりとろうとするがあまり、体の力をうまく打球に伝えられないでいた。11試合連続で「1番」に座るも、ヒットなし。21打席ぶりの快音は、2点リードの5回一死三塁だった。直球を振り抜き、一、二塁間を突破。
「3打席目で、結果が出てよかったです」
試合の流れを決める1点をもぎとった。
「晋太郎がしっかりバントでランナーを三塁に送ってくれて、それを無駄にせずに点につなげることができてよかったです」
と話した。8回二死満塁では直球をたたきつけ、2点中前打。この試合、3打点目を記録し、今季39打点。2リーグ分立後の球団新人シーズン打点記録では、単独6位に浮上した。

隼太、プロ初4安打と、今季1号ソロ。これがこの男の底力だ。昇格後、即スタメン起用。プロ初の4安打に、
「こういう日があってもいい」
と、充実した明るい表情。続けて、
「すぐに使ってもらってありがたい」
と、感謝の言葉を忘れなかった。金本監督は、
「前回落とした時も、心痛かった。彼が一番ベンチで声を出していたから。抹消期間中、しっかり調整してきたからいきなり仕事ができたと思うし、他の選手も見習うべきところだと思う」
とたたえた。

<ヤクルト0-8阪神>◇5日◇神宮