すべては4回だった。打者14人の猛攻を浴びせ、球団新記録となる1イニング10打数連続安打の猛攻で一挙に9得点。歴史的なビッグイニングの、その中心に原口がいた。「サンケイスポーツ」によると、
「(本塁打は)風と、球場の雰囲気ですね。ウル虎の? 夏? 最高っすね」
と、笑顔で話した。3ラン、2点打の1イニング5打点で、金本監督の球団記録に並んだ。5月以来の3連勝で、中日と並ぶ5位。

「チャンスでまわってくるのでね。本当になんとかしようと、食らいついていっているだけです。これだけたくさんのファンの方に集まっていただいているので、必死のパッチで打ちました」
2連打でお膳立てされた0-0の無死一、二塁。フォークをすくい上げた。高々と上がった打球は浜風に乗り、左翼席最前列に飛び込む一発となった。左越え9号3ランだ。捕手として、先発の能見をバットで援護したが、バッテリーとしてうれしかった点は、
「それはもちろん、完封です」
と即答。
「今日は能見さんの投球が低めに集まったおかげで、僕も助かったところが多かったので、能見さんに感謝です」

高山も、
「外野フライでも1点入る場面で、内野も前に来ていたので、内野ゴロを打たないように。ボールを上げていこうと思っていました」
4点を奪い、なお一死二、三塁。たたみかけたい場面で141キロの直球を見事にとらえた。右前への2点タイムリー。2安打2打点で勝利に貢献したが、満足はしていない。
「もう1本打ちたかったですし、四球なり、もう一回塁に出ないといけなかった」
前夜までの素材はメープルだったが、アッシュに、バットを変更。色も、白を基調としたものから黒色へと一新した。重さに変化はなく、
「変えた意図はない」
と、気分転換を強調。
「違和感はありましたけど、今日使ってよかったんで、これから使っていこうかなと思います」
得点圏打率は、これで・403(62打数25安打)に上昇。リーグトップに躍り出た。1回にも右前打を放つなど、バットで示す存在感は後半戦に入って増すばかりだ。

能見、通算90勝を完封で飾った。
「(攻撃が長かった難しさ?)全然ない、うれしい。少しは楽に? 少しどころじゃない」
2回に無死満塁のピンチを招いたが、三振、一ゴロ併殺に仕留め脱出。9回を5安打、104球で投げきり、2011年以来、6年連続となる完封勝利をマーク。

打線の勢いに乗るように、5、6、7回と三者凡退。8回には暴投も絡んで、一死二、三塁とされたが、連続で空振りに斬ると、9回も荒木の失策で走者を出しながら、打者3人で抑えた。今季は左肘への不安から球数制限が設けられていたがそれも外れ、104球の熱投。今季6勝目(8敗)をあげた。
「久しぶりに長いイニングを投げられたので、良かった」
と、振り返った。また、原口と組んだ試合は今季8度目で、3勝4敗。
「ひさびさに組んでこうやって抑えるんだっていうのが分かったし、原口にとっても、僕にとってもよかった」
捕手との関係を大切に考えてきた能見らしいコメントだった。

それと、北條。初ショートで、スタメン。さすがに緊張を隠せなかった。
「全然経験ないので、若いですし、思いきってやるしかない」
と言い切った。まだまだ、鳥谷の背中は遠い。

<阪神9-0ヤクルト>◇27日◇甲子園