福留が、劇的すぎるサヨナラ安打を放った。この日の3安打で、日米2000安打へ、あと5本。ソフトバンク守護神の外角フォークに、バットを当てた。打球は、三遊間を抜けてチャージした左翼手がバックホーム。走者・俊介がタッチをかいくぐって、本塁に滑り込んだように見えた。1度はセーフの判定も、リプレー検証を実施。

甲子園が、静まり返った。数分後に、「判定通りセーフ」のアナウンスが場内に響くと、阪神ベンチはふたたび喜びに沸き返った。福留は、
「バットに当てて前に転がせば、何か起こると思っていた。コンパクトにいこうと思っていた。何が何でも食らいついていこう、と。バットに当てることを考えていった」

金本監督は、興奮気味に振り返った。
「本当に、最後ああいう当たりでしたけど。本当に代走を出しておいてよかったなと。本当に、サヨナラになって改めて思いましたね」
本当に…というフレーズを繰り返したものだ。

9回二死から、北條が右前打。執念で、食らいついた。失点にはつながらなかったが、7回の守備で失策を記録し、そのウラの攻撃では、無死一塁から試みた送りバントが捕飛となって失敗。とにかく切り替えて、
「塁に出たら、何とかなると思った」
劇的なサヨナラ劇は、北條の一打からはじまった。代走・俊介がカウント2-2からの5球目で、二盗に成功。金本監督は、二死から右前打を放った北條に代走・俊介を送った理由を、「サンケイスポーツ」によると、
「一塁から(外野の)間を抜けたときに、一気にかえって欲しいと。サファテがああいう(大きい)モーションというのがあったから」
と説明した。実は早い段階から、二盗のサインを出していたのだ。

「ちょっと勝ち運もあったのかな…」
と、小さく笑った金本監督。
福留の左前打で、一気に二塁から本塁を陥れた代走・俊介の“神スライディング”。タイミングは微妙だったが、ホーム後ろで捕球した鶴岡のミットをくぐり抜け、風のように右足から滑り抜けた。
「しっかり走れてよかったです。高代さんも回していたし、一気にいこうと。タッチされていなかったので、絶対にセーフだと思っていました」

さて、福留は、日米通算2000安打まで残り5本。
「本拠地で決めるに越したことはないよね。阪神ファンも喜んでくれると思うし、なるべくそのつもりで頑張ります」
本拠地の、あと3試合となった交流戦期間中の達成を視野に入れた。

先週の思わぬアクシデントも、プロ2度目のスライド登板も、乗り越えた。最強ソフトバンクを相手に6回2失点。勝ち星こそつかなかったが、藤浪が粘りの投球で先発の責任を果たした。
「切り替えて、2点でなんとか粘れたことが、今日の一番、自分のなかでよかった点かなと…」
登板の数日前になっても全快しておらず、痛みは残っていたが、ローテを守った。
「真っすぐの感触がかなりよかった。本当にいい打線なので、力勝負でなかなかできないところだと思いますが、力勝負で押し込めました」
と、確かに残った手応えを感じていた。

<日本生命セパ交流戦:阪神3-2ソフトバンク>◇17日◇甲子園

過去の試合;
雨 <日本生命セパ交流戦:16日の阪神-オリックス戦(甲子園)>(雨天のため、午後6時10分に中止が決定。中止決定、遅すぎ)

● <日本生命セパ交流戦:阪神1-5オリックス>◇15日◇甲子園(リリーフ陣が打たれ、打線も3安打1得点と沈黙。再び借金4。継投裏目。3番手・マテオで暗転、4番手・高橋がぶち壊し。マテオの復活舞台は、9回ではなかった。1-0の6回二死一、二塁。本来ならば、イニング頭からいく予定も、2番手・榎田がピンチをつくったことで火消し役として前倒し。青柳、驚異の粘りで5回ゼロ封。中谷が「7番・中堅」で今季初先発、3回にチーム初安打となる左前打。また、隼太も代打で今季初出場、遊邪飛)